
■管理者は検討会での役割を認識し、実行しているか?
最も注意すべきことは、管理者一人ですべての対策を考えてしまわないことです。たしかに、管理者の指摘は管理者自身が一番のベテランであることも多く、指摘も正しいことが多いのですが、人は苦労して自分で考えて実行したことが、一番身に付くことを忘れてはいけません。たとえ同じ結論になろうと、管理者から指示されて実行することと、職員が自ら率先して意見を出して実行することでは、ヒヤリハット活動の結果や定着度、その後の職員の成長に大きな差が生まれます。管理者は職員の「サポーター」と心得るべきです。
■検討会は意思決定の場となっているか?
検討会の参加者は、「いろいろ話し合ったことで充実した検討会だった」と思いがちです。ところが、冷静に振り返ってみると、何も決まっていないということがよくあります。このようなケースでは、今後の対策を話し合う時間を最低10 分でも設けるようにするとよいでしょう(理想は会議時間の8割)。そして、次回の検討会までに各自がやるべきことを明確にして検討会を終えるようにします。「具体的な事故防止策は決まらなかったけど、もう時間だから続きは次回(1ヶ月後)にしよう」という展開にならないようにしたいものです。
■検討会で出した結論は具体的になっているか?
ヒヤリハットや事故の対策というと、報告書でよく見かけるのが「見守りを強化する」「次回からはもっと気を付ける」といった記述です。しかし、このような対策で本当に事故を防止できるのか疑問が残ります。具体的な対策を検討する場合は、次のように考えるとよいでしょう。
●「見守りをどのようにして強化するのか?」
「そもそも、見守りを強化したり、気を付けたりすれば、事故を防げるのだろうか?」
●「今よりもさらに注意深く仕事を進めるための方法は何か?」」
このように考えれば、事故を防止するための対策に意識を向けることができます。対策は、具体的に表現されていなければ効果がありません。具体的に表現するとは、「いつ(までに)」「誰が」「どこで」「何を」「どのように」するのかを明確にすることです。
■検討会の議題が、特定の利用者に集中していないか?
どの事業所でも、職員の中で話題になりやすい利用者が少なくとも一人はいるものです。検討会でも同じで、特定の利用者の話に熱中してしまうことがあります。そうすると、検討会が毎回1~2名の利用者の話で終始してしまい、他の利用者に関する話をする時間がなくなってしまいます。
このことは、話し合っている当事者では自分たちでは気付きにくいポイントです。管理者が一歩引いた視点で全体の話の流れをコントロールして、話が偏らないようにする必要があります。
発行 : 株式会社 日本経営リスクマネジメント 今村 文隆 (福祉経営支援レポート 240220号)
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